【独自調査 第3弾】AI Overviewsは2か月で85%→98%へ
同一384クエリ再実測と「引用と推薦は別物」の実証【2026年8月】
第1弾(7月・表示率84.8%)・第2弾(種類別再分析)に続く第3弾は、同一クエリを2か月後に再実測した、日本語SEO領域では初となる時系列調査です。AI Overviews(AIO)はこの2か月でどれだけ増えたのか、引用元は固定なのか流動なのか、そして「AIに推薦されること」と「AIに引用されること」は同じなのか——すべて実データで答えます。
同一384クエリの2時点実測(2026年7月1日→8月30日)で、①AIO表示率は85.2%→97.7%へ急伸(消えたのは2クエリだけ・現れたのは50クエリ)、②引用元ドメインは約44%が2か月で入れ替わる流動状態(続投率56.1%)、③本文で「推薦」されたツール101件のうち、同時に「引用リンク」も得ていたのは18.8%——引用と推薦は別物でした。日本語SEOはもはや「AIOが出るかどうか」ではなく「AIOの中でどう扱われるか」を競う段階です。
調査の設計(同一クエリ・2時点・同一条件)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象クエリ | Search Console由来の日本語SEO関連 384語(第1弾と同一パネル) |
| 測定時点 | 2026年7月1日 と 2026年8月30日 の2時点 |
| 条件 | 同一(日本・デスクトップ相当・SERP APIによる実測・上位10位) |
| 測定項目 | AIO表示有無/引用元ドメイン/AIO本文中のツール推薦/PAA表示 |
時系列調査の価値は「同じものを同じ条件で測り直す」ことにあります。1回きりのスナップショット調査と違い、変化の方向と速度が分かります。
発見①:表示率85.2%→97.7%。「AIOが出ない検索」がほぼ消えた
結論先出し:2か月でAIO表示率は12.5ポイント上昇し、SEO関連クエリの97.7%でAIOが表示される状態になりました。
内訳が象徴的です。2か月の間にAIOが新たに表示されるようになったクエリが50件あった一方、表示が消えたクエリはわずか2件。一方通行の拡大です。
種類別では、7月時点で最も低かった情報系・比較系が大きく伸び、種類による差がほぼ消滅しました。
| クエリ種類 | 7月 | 8月 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 情報系(n=220) | 83.2% | 97.3% | +14.1pt |
| 費用/価格系(n=71) | 90.1% | 98.6% | +8.5pt |
| ハウツー系(n=64) | 87.5% | 96.9% | +9.4pt |
| ツール系(n=19) | 84.2% | 100% | +15.8pt |
| 比較/おすすめ系(n=10) | 80.0% | 100% | +20.0pt |
PAA(他の人はこう質問)も90.4%→95.1%へ上昇。なお、AIOが引用元を開示する割合は60.6%→59.5%とほぼ横ばいで、開示時の平均引用ドメイン数は6.5→5.8へ微減——AIOの面は広がる一方、1回答あたりの引用枠はやや絞られています。
発見②:引用元は固定ではない。44%が2か月で入れ替わる
結論先出し:7月に引用されていた223ドメインのうち、8月も引用されていたのは125ドメイン(続投率56.1%)。約44%が脱落し、74ドメインが新規参入しました。
クエリ単位で見るとさらに流動的です。同一クエリのAIOで両月とも引用が開示されていたケースの引用枠は、続投510・新規440・脱落591——つまり1つの回答の引用リストの半分近くが2か月で入れ替わっています。
💡 これは後発サイトにとって朗報です。AIOの引用は「一度決まったら固定」ではなく、毎月椅子取りゲームが続いている状態。継続的に一次情報を出すサイトには、参入チャンスが繰り返し訪れます。
発見③:【日本初実測】「引用」と「推薦」は別物(乖離率81.2%)
結論先出し:AIOの本文でツール名が「推薦」されたのべ101件のうち、そのツールの公式サイトが同時に「引用リンク」を得ていたのは19件(18.8%)だけでした。
ツール系・比較系29クエリのAIO本文を分析しました。「おすすめのSEOツールは?」という検索に対し、AIは本文でツール名を挙げて推薦します。しかしその根拠として引用リンクが張られる先は、推薦されたツールの公式サイトではなく、第三者の解説記事であることが圧倒的多数でした。
| 本文で「推薦」された回数(上位) | 「引用リンク」を得た回数(上位) | |
|---|---|---|
| 1位 | Ahrefs・GRC(各11回) | パスカル(11回) |
| 2位 | ラッコキーワード・Search Console・GA4(各10回) | SEARCH WRITE(8回) |
| 3位 | ミエルカ・パスカル・Nobilista(各9回) | ミエルカ(6回) |
AhrefsやGRC、ラッコキーワードは本文で繰り返し名指しされる「推薦の勝者」ですが、引用リンクはほとんど得ていません。一方、引用リンクを多く得ているのは、自社ツールの解説・比較記事を持つ企業のオウンドメディアです。
⚠️ 海外のB2B調査でも「自社が獲得したAIO引用の69%は競合を推薦する回答内だった」という報告があります。本調査はこの「引用≠推薦」構造を日本語SEO領域で初めて定量化したものです。知名度はAIの推薦を生み、コンテンツはAIの引用を生む——別々のゲームです。
誰が引用されているか(8月版)
8月の引用元199ドメインの内訳は、94%が企業サイト・オウンドメディア。辞書(Wikipedia等)やQ&Aサイトはごく少数で、Google公式・ニュース系も数%にとどまりました。
引用回数の上位は plan-b.co.jp(107クエリ)・YouTube(101)・seohacks.net(55)・willgate.co.jp(53)・gmotech.jp(52)・mieru-ca.com(45)と、SEO支援企業のオウンドメディアに集中しています。YouTubeが2位である点は、動画がAIOの引用面で既に主要プレイヤーであることを示します。
実務への示唆:引用される側・推薦される側になるには
- 「AIOが出ない検索」を待つ戦略は終了:97.7%まで来た以上、SEO領域の検索はAIOの下で戦うのが前提。1位表示よりも「AIOに引用される・推薦される」の2つの椅子を狙う設計が必要です。
- 引用の椅子は毎月空く:続投率56%という流動性は、後発でも一次データ・独自解説を出し続ければ参入余地があるという意味。実際に当サイトも調査記事起点で自然引用を獲得しています。
- 推薦されたいなら「言及される存在」になる:推薦はリンクではなくブランド認知(学習データと言及量)から生まれます。指名検索・レビュー・第三者記事での言及を増やす広報活動が、AI時代の「推薦SEO」です。
- 引用されたいなら「根拠になれる記事」を書く:AIが引用するのは、推薦の根拠として使える比較・解説・データ記事。AIに引用される文章術とAIO/LLMOチェックリストを参照してください。
手法と限界(正直に)
- 各時点は単一スナップショットです。AIOは時間帯・地域・パーソナライズで揺れるため、個別クエリの表示有無には誤差が含まれます(パネル全体の傾向は誤差に対して十分大きい変化です)。
- 対象は日本語SEO・Webマーケ関連クエリで、全ジャンルには一般化できません。
- 「推薦」の判定はAIO本文へのブランド名辞書マッチ(20ツール)による機械判定で、文脈(否定的言及など)は区別していません。
- クエリ種類の分類は語ベースの機械判定です(第2弾と同方式)。
次回・第4弾は同一パネルの3時点目(10月末想定)で、「引用の椅子の入れ替わりが季節性なのか恒常なのか」を検証予定です。
引用・転載について
本調査の数値・グラフは、出典として本ページへのリンク明記を条件に、記事・スライド・社内資料などへ自由にご利用いただけます(事前連絡不要)。
引用例:出典:Saguru(株式会社D-SYSTEMS-EN)「AI Overviews時系列調査 第3弾(2026年8月)」 https://saguru.dsystemsen.com/column/77-aio-timeseries-2026.html
AIOの中で「どう扱われるか」を調べるところから
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