前回の調査では、SEO関連の実クエリ389語でAI Overviews(AIO)の表示率が84.8%に達することを示しました。
第2弾となる本記事では、その同じデータを「どんなクエリでAIOが出やすいか」——クエリの種類別・語数別・引用元ドメインの分布という、前回は出していなかった角度から再分析します。
SEO関連389クエリの再分析では、AI Overviewsは費用/価格系クエリで93.8%と最も出やすく、ツール系で77.8%と最も出にくい結果でした。語数別ではほぼ横ばい(AIOは大型語だけの現象ではない)。引用元は229ユニークドメインで上位はSEO支援企業に集中。「答えを要約できるクエリ」ほどAIに先取りされるため、費用・情報・ハウツー系は"引用される側"の設計が要ります。
この記事の位置づけとおさらい
本記事は第1弾レポートの続報です。第1弾は「AIOがどれだけ出るか」を示しましたが、第2弾は「どんなクエリで出やすいか」を掘り下げます。使用データは前回と同じ2026-07-01取得のスナップショットで、新規取得ではなく再分析です。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 対象クエリ | 389語(Search Console由来のSEO・マーケ関連) |
| AI Overviews 表示率 | 84.9%(331/390) |
| PAA(他の人はこう質問)表示率 | 90.3% |
| AIOの平均引用ドメイン数 | 6.5 |
| AIOが引用元を開示した割合 | 60.4%(新集計) |
全体の表示率は前回公表の84.8%とほぼ一致し、データの再現性が確認できています。ここからが新しい分析です。
新発見①:クエリの「種類」で表示率が変わる
同じSEO領域でも、クエリの意図によってAIOの出方は大きく違いました。
| クエリ種類 | 件数 | AIO表示率 |
|---|---|---|
| 費用/価格系(費用・料金・相場・無料…) | 32 | 93.8% |
| ハウツー系(やり方・方法・対策・書き方…) | 110 | 87.3% |
| 比較/おすすめ系 | 13 | 84.6% |
| 情報系(とは・意味・仕組み…) | 48 | 83.3% |
| ツール系(ツール・診断・チェック…) | 18 | 77.8% |
「費用・料金」を調べるクエリでは、ほぼ確実(93.8%)にAIが先に答えを出しています。逆に特定のツールを探す「ツール系」(ややナビゲーショナルな意図)は相対的に低め。つまり"answer可能"な情報系・費用系ほどAIに要約され、青リンクのクリックが削られる構造が数字で見えます。
新発見②:AIOは大型語だけの現象ではない
「AIOはビッグキーワードで出るもの」という感覚がありますが、語数別に見るとほぼ横ばいでした。むしろロングテール(4語以上)のほうがわずかに高い結果です。
| クエリの語数 | 件数 | AIO表示率 |
|---|---|---|
| 1語 | 101 | 85.1% |
| 2語 | 143 | 82.5% |
| 3語 | 93 | 86.0% |
| 4語以上 | 53 | 88.7% |
「ロングテールに逃げればAIOを避けられる」わけではない、というのが実データの示すところです。具体的な複合クエリでも、AIは要約回答を出しています。
新発見③:引用元229ドメインの分布
AIOが引用したドメインはのべ229ユニークドメイン。前回は上位10のみでしたが、今回は分布を確認しました。上位はSEO・マーケ支援企業のオウンドメディアに強く集中しています。
| 順位 | ドメイン | 引用回数 |
|---|---|---|
| 1 | plan-b.co.jp | 110 |
| 2 | youtube.com | 94 |
| 3 | seohacks.net | 57 |
| 4 | mieru-ca.com | 56 |
| 5 | willgate.co.jp | 56 |
| 6 | web-kanji.com | 44 |
| 7 | mediareach.co.jp | 38 |
| 8 | satori.marketing | 28 |
| 9 | geo-code.co.jp | 25 |
| 10 | white-link.com | 24 |
YouTube以外はほぼSEO支援企業。ただし229ドメインという裾野は、「継続的に一次情報を出していれば、上位企業以外にも引用の余地がある」ことを示しています。エンティティSEOや一次情報の積み上げが、引用される側に回る鍵です。
📌 本調査のデータ・グラフは、出典(本ページへのリンク)を明記いただければ、記事・資料への引用・転載を歓迎します。
ここから言える戦略(実務への落とし込み)
- 費用・ハウツー・情報系のページは"引用される側"の設計を前提に。結論を冒頭で言い切り、数値・出典・構造化データ(FAQPage/HowTo)を整える。青リンクのクリックだけを当てにしない(AIに引用される文章術)。
- ツール系・指名系のクエリはまだ青リンクで勝負できる(表示77.8%=2割は出ていない)。従来型SEOの費用対効果が残っている領域です。
- 引用される最短ルートは一次データ。引用が特定企業に集中するのは、彼らが継続的にデータ・見解を出しているから。229ドメインの裾野が示すとおり、独自データは新規サイトでも引用の入口になり得ます。
AIO時代のSEO全体像は「AIO・LLMO時代のSEO対策」、チェック観点は「AIO/LLMO実践チェックリスト」もあわせてどうぞ。
手法と限界(正直に)
- データは2026-07-01の単一スナップショット(前回と同一)。今回は再取得ではなく、同じ389クエリを新しい軸で集計した深掘りです。
- 対象はSEO・Webマーケ寄りのクエリ。全ジャンルには一般化できません(費用系93.8%等の傾向も、この分布に依存します)。
- クエリ種類の分類は語に基づく機械判定で、厳密な意図分類ではありません。
- AI Overviewsは地域・時間・パーソナライズで揺れます。判定は「そのスナップショットでブロックが存在したか」に限定しています。
続報として、四半期ごとに同じ389語を再取得し、表示率と引用集中の時系列変化を追う予定です。
狙い目キーワードは「AIが出ない側」にもある
AIが答えを先取りするクエリ(費用・情報系)は"引用される設計"が要り、AIが出にくいクエリ(ツール・指名系)はまだ青リンクで取れます。どちらを狙うかの見極めには、キーワードの性質を素早く調べるのが近道です。Saguruなら、サジェスト・SEO難易度👑・共起語を登録不要・1日5回まで無料で確認できます。
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本調査の数値・グラフは、出典として本ページへのリンク明記を条件に、記事・スライド・社内資料などへ自由にご利用いただけます。
引用例:出典:Saguru(株式会社D-SYSTEMS-EN)「AI Overviews表示率の独自調査 第2弾(2026)」 https://saguru.dsystemsen.com/column/75-aio-followup-2026.html


